岡山の市街地から西へ、JR山陽本線の北長瀬駅と庭瀬駅の間に2008年にオープンした『洋菓子のシトロン』。
地元の学生や親子連れなど、若い世代のお客に愛され、子ども同士でお菓子を1個だけ買いに来ることもあるという、親しみやすいパティスリーだ。
生菓子はもちろん、手みやげや年末のギフト用として焼菓子も好調だが、その生産増加を支えているのが、テックヨロズのクッキー成型機だ。
「3年ほど前に導入したのですが、実は開店当初から、ずっと欲しいと思っていたんですよ。
オープン以来、生菓子だけでなく、焼菓子もよく出るようになって、特に年末と3月は、かなりギフトが多くて、生産性を上げる必要が出てきました。
クッキー成型機がない時は、スタッフが手でやっていましたが、この仕事は高度すぎるわけではないけれど、やはり誰にでもできるものではありません。人の手によって食感も変わりますし、不安定だったんです。
スタッフに教えるのですが、ようやく慣れて上手くできるようになった頃に、スタッフが入れ替わるということもあって…。なんとか安定した生地を作りたいということで、思い切って導入しました。
クッキーカッターは無いので、手切りでやっていますが、ストレスは全然ないですね」
と、オーナー・シェフの坂田展也さんは話す。
修業時代から、その良さを知っていたという坂田さんは、あえてノズルを増やしてクッキーのアイテム数を増やした。
また様々な素材を生地に混ぜたクッキーは、バニラ、チョコチップ、五穀、アールグレイなど、12種類が揃うが、クッキー成型機では、スペインの伝統菓子「ポルボロン」も製造している。
同店は厨房の広さが8坪弱とコンパクトな空間だが、細長い通路のような一角を成型のための作業場と決めて、使わない時は成型機用に作った棚下に納め、使う時だけ広げて一気に作業を行なうという。
「狭いので、収納と使用を工夫しながらやっています。場所のやりくりにも慣れてきましたし、稼働率が上がって、お客様のニーズに対応できるようになりましたね」 |