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 岡山駅の北東に約7Kmほど行ったところに2005年オープンした『ニニキネ』は、2009年の春4周年を迎え、生産体制をより確かなものにするべく、テックヨロズのクッキー成型機とクッキーカッターを導入した。
「新しく入れたばかりなのですが、今までは女性スタッフが手作業で作っていたので、どうしても力が弱くて、練り過ぎ、粉の入り過ぎという状態になりがちだったんです。
 スタッフにとっても体力を使う作業でしたし、機械で出来れば味も安定してきますから、それで導入することになったんですよ」と語るのは、山口シェフ。
 山口さんは『ホテルニューオータニ』で約20年間修業をした、経験豊かなパティシエで、シェフとして同店の製造一切と同時に、スタッフの育成にも力を注いでいる。
「女性の場合、頑張っていたのに、体力的な理由で辞めてしまうというケースもありました。生地を丸める仕事は、パティシエとして大切ですし、覚えておくのに越したことはないのですが、体力の要ることなんです。
 ですから、この部分を克服することで、仕事をする期間が伸ばせるならば、手作業にこだわらず、機械に任せればいいのではないか、と思ったんです」
 山口さんにとって、この二つの機器を使うのは、修業時代を通じても初めてだったが、その存在はずっと知っていて、すぐに決定したそうだ。
「手で丸める時は100%まで練り合わせずに、打ち粉をしながら100まで持っていきましたが、機械を使う場合は最初から100にしないといけないというふうに、多少の違いはあります。でも、それもすぐに調整ができました。
 安定して生産できるので、今後、ギフトの需要にもスムーズに対応できますし、担当するスタッフによって仕上がりにバラツキが出ることもなくなって、商品が安定するようになりました。手近に始められる機械化の第一歩として、効果が出始めていますね」
 8人の製造スタッフのうち、7人が女性。クッキーの作業に使っていたその力を、他の様々な部分で生かしつつあるところだ。

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